OB・OGインタビュー
高専で学んだ基礎知識と、課外活動で得た
いろいろな知識、その両方が仕事に活きています。
小高 拓海 さん
- クラウドサービス事業者・サポートエンジニア
- 木更津工業高等専門学校
- 2017年度 情報工学科卒業
- 2019年度 制御・情報システム工学専攻修了
木更津高専を選ばれた理由を教えてください
両親もIT系の仕事だったので、小学生のころから当たり前に家にパソコンがあり、ゲームなどを楽しんでいました。ゲームをするうちに、ゲーム操作の自動化などを考えるようになりました。普通高校に行ってもよかったのですが、どうせなら楽しいことがしたいと思って、高専を選びました。
情報工学科を選ばれた理由を教えてください
体験入学でプログラミング体験をしたのが決め手です。自分が作ったものが動くということが楽しくて、当時はゲームが趣味だったため、コンピュータの仕組みを学びつつ、ゲーム開発者を目指すつもりでした。
セキュリティに関する在学中の活動などを教えてください
「ランサムウェア対策手法の検討」を卒業研究のテーマにしていました。ランサムウェア対策システムの開発のために企画書を書き、「ITスーパーエンジニア・サポートプログラム"すごうで"*」に応募し、支援対象に選ばれました。株式会社ラックのエンジニアの方に助言を受けながら、勉強会に参加するなどして、ランサムウェアに感染して暗号化されたファイルを検知して復元できるシステム開発に取り組みました。
同時期に、研究室の指導教員だった米村恵一先生から声がかかったメンバーと一緒に「第12回情報危機管理コンテスト*」に参加して、優勝しました。
その他には、IVRC (Interverse Virtual Reality Challenge)に参加したり、寮のネットワーク委員としていろいろなトラブルに対応したりもしました。アルバイトでWeb開発などもしていました。KOSENセキュリティコンテストに参加したこともあります。
現在の進路を選ばれた理由を教えてください
きっかけは、就職を考えていた専攻科1年生の時、米村先生が企業の方を講師に招いてくださった講習会ですね。その時にクラウドコンピューティング、特にサーバレスアーキテクチャに興味を持ち、それを活用したアプリケーションの構築や、ビジネスの展開に携わりたいと思って、その講師の方の企業に就職しました。当時は、毎月のように企業の方を講師とする講習会が開催されていましたので、後から考えるととても恵まれた環境だったと思います。最初の就職先の仕事の関係で転職し、今の職に就いています。
現在の仕事内容を教えてください
クラウドコンピューティング事業で技術サポートを提供するエンジニアとして働いています。自社のサービスをよりよく使ってもらう上で、技術的な課題に直面しているお客様の課題を解決する仕事です。最近はデータベースに関わる仕事が中心となっています。
現在の仕事で在学中の経験が役立ったことはありますか
高専でコンピュータサイエンスの基礎知識を学んだことが内側にあって、その外側に課外活動で得たいろいろな知識があって、その両方が基礎としてあるということが、仕事に活きていると思います。
周りの友人や教員から受けた刺激もありましたが、自分自身、授業を受けるだけでなく、自分で気になったことを自分で勉強する、ということを習慣化していたので、5年間授業を受けるだけよりも多くのことを学べたと思います。
セキュリティというのは、技術を突き詰めるだけではだめで、何のために何を守りたいのか、というようなことをお客様とやり取りすることが必要になります。
セキュリティに関する基礎知識を在学中に身につけたことで、お客様の懸念する点を汲み取る力にも結びついていると思います。そういう点では、情報危機管理コンテストは他のCTF大会などと違い、実戦経験として似たような力を発揮できる機会だったと思います。
将来の目標を教えてください
今の立場からだと、もう少しお客様に寄り添った、コンサルティングなどもしてみたいと思いますが、業界自体の動きも激しいので、それに合わせて自分の興味も移っていくと思います。
変わらずその時々の自分の興味に合わせて働くこと、今後もいろいろなものを吸収し、過去の複数の経験を活用し、エンジニアとして幅広く活躍することが目標です。
後輩に向けてメッセージをお願いします
少しでも気になったらとりあえず何にでもチャレンジしてみるとよいと思います。結果として、私は純粋なセキュリティ業界には進みませんでしたが、経験や知識が無駄になることはまったくありません。むしろ違う分野に行った方がいろいろな活動に関われる可能性があるかもしれないと思います。
- ページ公開日:
- 2024/03/28
※記事内容はインタビュー時点(2023年11月~2024年2月)のものです。