OB・OGインタビュー
サイバーセキュリティは
「自分が守っているんだ」という達成感、
やりがいを感じられる仕事です。
太田 拓海 さん
- 株式会社ラック
- SO統括部 JSOC分析部 アカウントアナリシスG
- 一関工業高等専門学校
- 2017年度 制御情報工学科卒業
- 2019年度 生産工学専攻修了
一関高専を選ばれた理由を教えてください
小さいころからものづくりや、パソコンで何かを作ること、動かすことが好きで、将来は技術的な分野を扱う仕事に就きたいと思っていました。家族や親戚に高専を卒業した人、専攻科を修了した人も多く、いろいろな情報や高専時代の頃の話を聞いて自分もここで学びたいと思い、高専という進路を選びました。
制御情報工学科を選ばれた理由を教えてください
一関高専には当時、名前に「情報」がつく学科として、電子情報工学科と制御情報工学科の二つがありました。制御情報工学科のシラバスが、情報機械と電気電子の内容をバランスよく組まれたものだと聞き、広く多様な分野を学べるということころに魅力を感じました。その中でも、情報やセキュリティなど、パソコンに触れるものは基本的に全部好きでした。
中学以前にパソコンを使った経験はありますか
6歳ぐらいから、家にあったWindows98のパソコンを使っていました。ワープロソフトやゲームも含め、いろいろと触っていました。パソコンも好きでしたが、工作を含めてものづくりが大好きで、当時は画用紙や段ボールを材料にいろいろなものを作っていました。
K-SECイベントへの参加経験を教えてください
在学中は電子計算機部に所属しており、本科4年生の時には部長をしていました。友人や先輩と一緒に、CTF(Capture the flag)に参加し、最初はセキュリティが主軸とは知らず、競技プログラミングのようなものだと思っていたのですが、問題を解いていく中で、「これがセキュリティなんだ」と気づきました。毎年開催される高専プロコンにも参加していました。
現在の進路を選ばれた理由を教えてください
友人と一緒にセキュリティに関する活動をしたのがきっかけで、セキュリティ業界に興味を持ちました。大きな責任を伴いますが、自分がこれまでに経験してきたものに、あらゆる形でつながることの新鮮さや、やりがい、貢献度の高さから志望しました。
現在の仕事内容を教えてください
主に大手金融業・製造業、行政関係のお客様環境へのサイバー攻撃や情報漏えいなどを24時間365日体制でセキュリティ監視で見守る、SOC(Security Operation Center)部門に勤務しています。セキュリティアナリストとして、セキュリティログの監視以外にも、システム監視やインシデントを検知するためのロジックの作成・見直しなども定期的に行っています。
新しい製品が出てきますし、攻撃手法や戦略も、新たなものに次々と対応しなければなりません。だからこそ、やりがいがあって楽しいと感じるところでもあります。
現在の仕事で在学中の経験が役立ったことはありますか
高専で学ぶ基礎的・専門的な授業・実験が多く関連しています。例えば、インフラの知識が必要なので「ネットワーク」の内容や、大量のデータからインシデントとなるログを見つけるロジック設計や、疑わしい内容の検知があった際、それが本検知か誤検知かを調査するのに「アルゴリズム」、「離散数学」、「統計」の内容が関連しています。
出前授業や、セキュリティに詳しい学生時代の友人の影響で、ハニーポットというおとりサーバーを置いてみたりしたこともあります。就職先は異なりますが、その友人とは今でもセキュリティについて情報交換しています。
将来の目標を教えてください
現在さまざまな製品に触れることでひたすら経験を積んでいます。サイバーセキュリティ対策を総合的に扱っている会社なので、別の部署の知見が共有されたり、先輩や同僚から教わったりすることで、知識を深める機会がたくさんあります。そうした中で多くの知識を身につけ、将来はお客様にコンサルティングまでできるような人材になりたいと考えています。
後輩に向けてメッセージをお願いします
サイバーセキュリティはIT関係だけでなく、あらゆる業種、行政においてもかなり重要な存在になりました。「自分が守っているんだ」という達成感、責任感を感じられる仕事です。責任を感じながら、日々知識を更新しつつ業務に臨めるので、新鮮な気持ちで仕事しています。さまざまな形で社会と関わることのできる業界だと思いますので、少しでも興味がありましたら、ぜひセキュリティ業界にチャレンジしてみてください。
高専のセキュリティ人材についての印象や期待すること
株式会社ラック 人事部
大西 淳子 様
高専ならではの教育スタイルは、新たなテクノロジーに対する学習姿勢や理論と演習の両面を重視されています。卒業生は、セキュリティに限らずITのスペシャリストとして、興味、探求心を持ち、日々成長している姿が印象的です。
高い実践力を備えた即戦力人材としてさらに広く活躍していただくことを期待しています。
- ページ公開日:
- 2024/03/28
※記事内容はインタビュー時点(2023年11月~2024年2月)のものです。