高等専門学校制度創設 60 周年を心よりお慶び申し上げます。
高専は他に類を見ない高等教育機関であり、2 つの特長を活かした役割に期待しています。

1 つ目は、中学校卒業後の若者に 5 年間の一貫教育を行い高度な専門性を持つ人材を育成するという独自の強みを「高専」は有し、同時に海外では「KOSEN」ブランドで通用するなど国際社会で高い評価を得ていることです。近年、世界における日本のプレゼンスが相対的に低くなる中で、私は 2019 年 4 月に代表幹事就任挨拶『“ いて欲しい国、いなくては困る国、日本 ” の実現に向けて』を発信しました。まさに、目指すべき社会を実現していく上で、高専の取り組みに大変勇気づけられるとともに、将来への期待を感じています。

2 つ目は、高専を卒業した若者には、産業社会で即戦力として活躍、専攻科への進学、4 年制大学への編入学、海外大学等への留学などの選択肢があり、多様なキャリアパスを築ける可能性があることです。我々を取り巻く社会は、グローバル化、格差、分断、安全保障、気候変動、感染症などの課題を抱えています。

これらを克服していくために、創造性と実践性を兼ね備えた技術者や起業家を育成している高専は重要な役割を担っています。

高専の教育を受けた若者たちが、自分の未来選択、日本の未来選択、世界の未来選択を真剣に考え、議論し、行動することを大いに期待しています。