卒業生インタビュー

挑戦して得た知識と応用力を社会に役立てて

PayPay株式会社 Merchant Services Product本部 Technology部 PP4B

ピシュバ・ジョン・サイルス・パランカ

近畿大学工業高等専門学校 電気工学科 2008 年度卒

現在のお仕事の内容を教えて下さい。
加盟店向け決済管理ツール「PayPay for Business」の開発に携わって い ま す。「PayPay for Business」は、日本全国様々なシーンで利用されているキャッシュレス決済サービス「PayPay」における決済情報や売上を加盟店が管理することができるツールで、私が担当しているのは、「フロントエンド」と呼ばれるユーザー向け機能の開発です。
プログラミングに興味を持たれたのはいつ頃からですか。
イラン人の父と、フィリピン人の母を持つ私は、フィリピンで生まれ、2 歳の時に父の仕事の関係で日本に来ました。小学 6 年生の時、自宅に「ISDN」が開通してインターネットが使えるようになり、ゲームが好きだった私は、ネットを通じてフリーのゲームソフトを楽しんでいましたが、ゲームが「プログラミング言語」で書かれているということを知って、プログラミングに興味を持ったのです。父は大手企業の研究者であったためか、コンピューターに対する私の関心にも理解があり、私が高専へ進学する際も、積極的に応援してくれました。
高専生活で忘れられない思い出はありますか。
印象に残るのは「高専ロボコン第17 回大会(2004 年)」の全国大会に出場したことです。「マーズラッシュ」という火星の危険地域の山にロボットだけが入れるという設定で、私はロボットのプログラミング担当として、通信・制御プログラムを書きました。1 回戦で敗れてしまいましたが、自分にとっては大変いい思い出です。
立命館大学理工学部、同大学院修士課程修了後、ソフトバンクに入社されます。
私は「No.1 採用」という選考方法で採用されました。「No.1 採用」とは、誰にも負けない No.1 の実績や No.1 に至るまでのプロセス、そしてその実績でどのように会社に貢献するのかを重視する選考方法です。私は自らが開発した携帯電話の位置情報と電波状況を可視化するアプリを使って、自分のプログラミングスキルを猛アピールし、選考を突破することができました。ソフトバンクでは約 8 年間、社内ファイルサーバーやメールなどを人事システムと連動して管理するシステムの保守管理業務に従事しましたが、顧客に近い分野の製品開発をしたいと思い、PayPay に出向後、転籍しました。
2021 年に「ハッカソン」の決勝に進まれたそうですね。
グループ会社のヤフーが「日本のデジタル化」をテーマに開催した「Yahoo ! JAPAN Hack Day」というイベントに出場しました。AI(人工知能)による会議中のハラスメント発言の検出や、会議後に内容を要約表示する機能によって、議論の可視化や健全化を促進できるという作品で決勝にまで進むことができました。また同じ年に、東京都主催の地域課題をハックする共創プログラム「Tokyo OSS Party !!」にも出場しました。障がい者の方々の悩みを解決する「マイクロボランティア」を提案し、同じく決勝に進むことができました。
高専教育などに関する要望はありますか。
高専は都道府県に 1 校程度しかないため、競争率が高く入学が難しいと感じます。「私立大学」が設立した高専の出身者としては、大学がもっと高専を作り、高専教育を受ける機会を増やしていただきたいです。
高専生へのメッセージを一言。
高専生は時代の最先端にいることができます。自分が挑戦することで得た知識と応用力を生かし、社会に役立てて欲しいと思います。

ピシュバ・ジョン・サイルス・パランカ

JOHN CYRUS PALANCA, PISHVA
近大高専卒業後、立命館大学大学院修士課程修了。ソフトバンクを経てPayPay に転籍。21 年には「Yahoo!JAPAN Hack Day」や「Tokyo OSSParty!!」の決勝に進出。